Memorare 第1文
Memorāre, ō piissima Virgō Marīa,
「メモラーレ・オー・ピイッスィマ・ヴィルゴー・マリーア」と読みます。
memorāreは形式受動態動詞memor,memorārī(覚える)の命令法・現在・二人称・単数です。nōn esse以降の対格不定法を目的語としてとります。ōは間投詞(おお)です。piissimaは第1・第2変化形容詞pius(慈悲深い)の最上級piissimus,-a,-umの女性・単数・呼格です。Virgō Marīaにかかります。Virgōは第3変化名詞virgō,virginis c.(乙女)の女性・単数・呼格です。Marīaは第1変化名詞Marīa,-ae f.(マリーア)の単数・呼格です。
「覚えていろ、おお、最も信心深い乙女マリーアよ」と訳せます。何を覚えているべきなのかはこの後の対格不定法が説明しています。
nōn esse audītum ā saeculō,
「ノーン・エッセ・アウディートゥム・アー・セークロー」と読みます。
nōnは副詞(〜でない)です。esseは不規則動詞sum,esse(ある、いる)の不定法・現在です。(対格不定法)audītumは第4変化動詞audiō,audīre(聞く)の完了分詞、男性・単数・対格です。āは奪格をとる前置詞(〜から、〜によって)です。saeculōはsaeculum,-ī n.(世代)の単数・奪格です。
直訳は「(…の者が)世代によって聞かれないこと」です。「世の人々に聞き入れられないこと」などとすると良いでしょう。
quemquam ad tua currentem praesidia, tua implōrantem auxilia,
「クェムクァム・アドゥ・トゥア・クッレンテム・プレースィディア・トゥア・インプローランテム・アウクスィリア」と読みます。
quemquamは不定代名詞quisquam(誰か)の男性・単数・対格です。adは対格をとる前置詞(〜へ)です。tuaは所有形容詞tuus(あなたの)の中性・複数・対格です。praesidiaに掛かります。currentemは第3変化動詞currō,-ere(駆ける)の現在分詞currensの男性・単数・対格です。praesidiaは第2変化名詞praesidium,-ī n.(庇護)の複数・対格です。tuaは所有形容詞tuus(あなたの)の中性・複数・対格です。auxiliaに掛かります。implōrantemは第1変化動詞implōrō,-ere(求める)の現在分詞implōransの男性・単数・対格です。auxiliaは第2変化名詞auxilium,-ī n.(救済)の複数・対格です。
「誰であれあなたの庇護へと駆けて行く者は、誰であれあなたの救済を願う者は」と訳せます。対格なのに主語のように訳すのは、対格不定法の意味上の主語だからです。
tua petentem suffrāgia, esse dērelictum
「トゥア・ペテンテム・スッフラージア・エッセ・デーレリクトゥム」と読みます。
tuaは所有形容詞tuus(あなたの)の中性・複数・対格です。suffrāgiaに掛かります。petentemは第3変化動詞petō,-ere(願う)の現在分詞petensの男性・単数・対格です。suffrāgiaは第2変化名詞suffrāgium,-ī n.(投票権、票、意見)の複数・対格です。esseは不規則動詞sum,esse(ある、いる)の不定法・現在です。dērelictumは第3変化動詞dērelinquō(見捨てる)の完了分詞、男性・単数・対格です。
「(誰であれ)あなたの意見を乞う者は、無視されていること」と訳せます。
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