O Salutaris Hostia 第2段落
Ūnī trīnōque Dominō
「ウーニー・トゥリーノークェ・ドミノー」と読みます。
ūnī
は代名詞的形容詞ūnus
(一つの)の男性・単数・与格です。第1・第2変化形容詞と与格が違う形である(仮に第1・第2変化形容詞だったとしたらūnō
になっていたはず)ことに注意しましょう。Dominō
に掛かります。trīnō
は第1・第2変化形容詞trīnus
(三つの)の男性・単数・与格です。これもDominō
に掛かります。この単語は普通は複数形で使われますが、今回は単数の名詞を修飾しているので単数形になっています。
-que
は「そして」を意味します。ūnī
とtrinō
を繋ぎます。Dominō
は第2変化名詞dominus,-ī m.
(主,主人)の単数・与格です。与格なので「主のために」という意味を持ちます。キリスト教の神に関することなので大文字始まりであることに注意しましょう。
「一つであるとともに三つである主にとって」が直訳です。「三位一体の主に」と訳すことができます。
sit sempiterna glōria
「スィトゥ・センピテルナ・グローリア」と読みます。
sit
は不規則動詞sum,esse
(ある、いる)の接続法・現在・三人称・単数です。接続法は命令や願望を表します。この場合は願望とみなして、「ありますように」と解釈するのが良いでしょう。主語はこの後のglōria
です。sempiterna
は第1・第2変化形容詞sempiternus,-a,-um
(永遠の,絶え間ない,不滅の)の女性・単数・主格です。glōria
に掛かります。glōria
は第1変化名詞glōria,-ae f.
(栄光,名誉)の単数・主格です。sit
の主語であり、これが「ある」のです。
「永遠の栄光がありますように」と訳せます。
quī vītam sine terminō
「クィー・ヴィータム・スィネ・テルミノー」と読みます。
quī
は関係代名詞quī,quae,quod
の男性・単数・主格です。先行詞はDominō
です。quī
を訳す場合、quī
を普通の代名詞だと思い、quī
以降の従属節(この場合はquī ... terminō
)を別の文だと思って訳しても良い場合があります。今回もそのような場合で、quī
を「彼」と訳しても良いです。(もちろん指し示すのは関係代名詞としての先行詞であるDominō
(主)です。)
vītam
は第1変化名詞vīta,-ae f.
(人生)の単数・対格です。この後に登場するdōnet
の目的語の一つ(物)です。sine
は奪格をとる前置詞(〜なしで)です。terminō
はterminus,-ī m.
(終わり,境界)の単数・奪格です。
以上を踏まえて、「彼が終わりのない生命を」と訳せます。
nōbīs dōnet in patriā
「ノービース・ドーネトゥ・イン・パトゥリアー」と読みます。
nōbīs
は1人称複数の人称代名詞、与格です。dōnet
の目的語の一つ(人物)です。dōnet
はdōnō
(与える)の接続法・現在・三人称・単数です。願望とみなして「与えますように」と解釈できます。この動詞は二つ目的語をとります(人物と物)。人物(…に)の方は与格で、物(…を)の方は対格です。ここでは人物は
nōbīs
で物はvītam
です。
in
は対格または奪格をとる前置詞です。ここでは奪格をとり、「〜〜で」と訳します。patriā
は第1変化名詞patria,-ae f.
(祖国)の単数・奪格です。
「祖国において私たちに与えますように」と訳せます。
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